2013/06/01

牧野邦夫展に行ってきた

牧野邦夫 写実の神髄 展

練馬区立美術館で開催されていた「牧野邦夫-写実の神髄-展」に行ってきました。

練馬区立美術館

牧野邦夫を知ったのはテレビ番組「美の巨人」で「未完成の塔」が紹介されていたのがきっかけです。

絵に惹かれたのはもちろん、レンブラントに憧れ、追いつくためを描く「未完成の塔」の志というか情熱。そして、その思いが成し得なかった事へのドラマ性に、すごく惹かれたミーハーな気持ちもありました。

練馬区立美術館

チケットを購入し、最初に目にするのが「未完成の塔」。牧野邦夫の思いから、ほぼ年代順に作品が並べられていました。

最初は、独特な絵、緻密な描写に驚かさせられます。そして、それを詳しく見ようと顔を近づけると、さらに驚きます。

緻密さの中にある色々な表情をした顔が現れてきます。洋服の模様だったはずなのに、顔を近づけてみると人の顔だったり、動物だったりが描かれていました。それも、ひとつ、ふたつではなく、あらゆる所に人の顔が描かれていました。そこに顔が描かれていると分ると恐怖さえ感じます。

後半の作品はまさに、顔顔顔があらゆる所に描かれてました。

特徴的なのは自画像が多い事も。内情はモデルを頼むお金がないから、身近な家族、自分自身を描いたとの事でしたが、時にはヒッチコックが自身の映画に出ているような、ウォーリーを探せような、描き方をした作品もあり、ちょっとクスッと笑える作品もありました。

ビー玉の自画像

この日はトークショーもあり、なかなか盛況でした。考え方は逆ですが、その絵の世界感は近年のSFやゲームに影響されたと思えるような感じを受け、今だから受け入れられると思える独特な感じを受けました。(でも見に来ていた方は年配が多かったです。)

そして、トークショーで拝見した牧野千穂さん、まっすぐを見た強い目が印象に残りました。

牧野邦夫画集

物を増やしたくないので図録などは購入するのは避けていたのですが、とても魅了されてしまい、画集も購入。

0 件のコメント:

コメントを投稿